No. 100  土方祈祷

5月にはいり、土方ばかりしている。 なので、あかしや番頭という名前より、ひじかた(土方)番頭という名前のほうがあっているんじゃないか、と思うこともある。

それに、この書き込み、一ヶ月ぶりである。 朝から夜までくわとシャベルをもち、土を掘り起こしているから、コンピューターの前に座る余裕もなし。


今は、日曜日の夜の11時。 もう寝なくてはいけない。 しかし、ちょっと書かないといかんなぁ、と思う。


土方って、結構自分にあっている、と思う。 脳みその容量が一ビットの私にはうってつけである。 

また、土を掘り起こしながら、雑草や芝の根を引っこ抜きながら、神さんに話しかける。 こんな作業や土や草からいろいろ考えさせられる。


ミントをだいぶ前に旦那が植えた。 はみがきこが作れるくらいに、繁茂して、手がつけられない状態である。 抜いても、根が残っていると、しばらくして、生えてくる。 イチゴ畑には、ミントが生えている。 抜いて、これで大丈夫、と思った一ヵ月後に、またはびこっている。

ちょっとした他人への批判を口にだすと、それがいつのまにか、周りの人に広がって、人々の心に巣食って侵食するのと同じだなぁとシャベルの柄に寄りかかって思う。 


庭にはバミューダという種類の芝が生えている。 日本のゴルフ場で使っているかもしれない。 この芝がある表土をくわではがして、畑を裏庭に作っている。畑、といっても、せいぜい、一畳の大きさのを数個作るに過ぎない。 そんな小さな面積でも、芝をはがすのは重労働である。 

芝をはがして、ブロックを積み重ねて囲んで、そこへ、土を入れる。 芝を全部とったつもりでも、小さな根っこが残っていると、一週間後には、バミューダが芽をだす。 それを引き抜くこのごろ。 まさに、バミューダ開戦である。

人間のねたみ、うわさ、というのもほっておくと、バミューダの芽のように、ぼこっぼこって出てくる。 

一方、神さんと個人的な関係を経験したイエス営業部の人たちもそうであるんだ、と思う。 たとえ、芽を摘まれても、根がのこっていれば、また新芽を出すことが出来る。 

中国では、共産主義が席捲したとき、宗教は禁止というか、払拭されてしまった。 しかし、根は残っていたのだろ。 中国では、90年代から、イエス営業部の人たちがどんどん増えている。 地下教会も増えているし、表にもでてきている。 

キリシタンがいた日本。 その根は残っているに違いない。 今、日本のあちらこちらで、小さな芽がでているのだろう。 また、種はアメリカに飛んで、こちらの聖書学校、新学校で学んだ若いクリスチャンが日本に戻っている。 大いに、根をはびこらせてもらいたいと思う。


さて、話は土に戻る。 私が土や草に触れるのは、生にあっている、という理由のほかにもうひとつの理由がある。 母が言っていた。 「昔、うつ病っぽくなったけど、ある日、土をいじったら治った。」と。

ほくほくとした黒い土には、人の心を癒すなにかがあるに違いない。 事実、未開の原住民には、うつ病はないと思う。 アメリカの底辺にいるメキシコからの違法移民は、こういった植木の植え替え、土の入れ替え、木の剪定などの炎天下で大変な仕事に従事している。 でも、彼らは、うつ病の人は少ないのだろう、と思う。

別に私はうつ病ではない。 でも、母の言葉を思い出し、敢えて土に触れるようにしている。



小さなプランターにオクラ、いんげん、トマト、シランチョの種を植えた。 苗を買うと高い、という貧乏根性からである。 種は、小さい。 しかし、先ほど、オクラの苗を今日作った畑に植え替えた。 正露丸くらいの大きさの種であったが、2週間で、新芽は、長さ7センチほどに伸びた。 プランターから出したときは、もっと驚いた。 根がたくさんはびこっていて、7センチ以上あった。 

この根は、どこから出てきたのか? 正露丸の大きさの玉に収まる量ではない。 いったいどこから??? そして、土の中にある何かをえさにして、成長した、というのは、わかるのであるが、その土の力に感動する。

「神さん、これってすげ~。 これをつくったあんたもすげ~。」と土を掘り起こしながら、プランターから苗を取り出すたびに、驚愕している脳みそ一ビットのあかしや土方番頭。 


明日は、インゲンの苗を植えようか、と思ったが・・・・・、明日は私の誕生日である。 去年のクリスマスに旦那からもらったマッサージのクーポンがある。 マッサージにいくか。 それに、髪の毛も6ヶ月なにもしていない。 散髪に行くべか。 

明日起きたときに考えるとすっか。


先ほどの夜の8時。 食事の後に、「今日中に、オクラの苗を植えたいから、外にいっているね。」と旦那に告げて裏庭へ。 

旦那曰く、「明日は大年寄りになって、体が動かなくなるんだから、今晩のうちに仕事すませなさいな。」だと。 そのあと、急にスプリンクラーをつけたもんだから、大変だったぞ。 まったく、うちの旦那は要領が悪い。


もう、夜の11時半。 裏庭の池の横では、カエルが鳴いている。 かならず二匹で競って啼いている。 うるさいぞ~。 早く彼女をみつけろよ! といって、窓をしめる誕生日前日の夜であった。

あかしや

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