No. 229  お客様は、神様じゃねぇ

以下は、昭和の名言である。

「三波春夫でございます。 お客様は神様です。」

今の若い人は知らないと思うけど、三波春夫さんという歌手がいた。

令和の前の前の元号、昭和の時である。

戦後の歌謡曲の歌手の多くが、教科書通りみたいな歌い方だった。

この歌手の人が、派手な着物をきて、派手なステージに立っているお姿はテレビでよくみた。 

男のくせに、お化粧をしてステージに立っていたので、子供の時は、不思議な人がいるなぁ、と思ったことも。


昭和かぁ、テレビ、というメディアが、お茶の間の中心であった時代のこと。


「お客様は神様です。」


結構インパクトが強い文句なので、人々の頭に、まるで格言のように刻みこまれている。

意識に植え付けられている言葉だから、多くの人たちが、勘違いして、この文句を真実と思ってしまっている。

結果、このフレーズは、色々な場面で使われるようになった。


一番利用しているのは、「クレーマー」と呼ばれる人たちかな?

クレーマーって、これまた、「Cramer vs Cramer]という古い映画ではなく、「クレーマー」。英語だと、WinerとかComplainerというのかな。

店やサービスしてくれる相手に対して、難癖付けて、ぐちぐち文句言う人達のことらしい。

そこでよく使われるフレーズは、「お客様は神様だ!」らしい。



あたしの商売は一応、客商売+法律+政府に提出、というたぐいである。

でも、クレームはほとんどなし。

困ることは過去数回しかない。

その一部を公開すると、こうなる。


私より年上のお客さんでアメリカ人だけど、順番を待たずに、すぐに結果を急ぐ人がいた。 

そういう方には、順番ですよ。ほかのお客様も尊敬しなければなりませんので、私の方で処理しなくてもいいですよ、とやんわり断ってしまう。

私も歳をとると、このように、忍耐が無くなるのか、と怖くなる。

気を付けようっと。


でも、こういう人たちは、まだ、かわいいほう。


問題なお客は、法律を説明しても、従わないようにできないか、と湾曲的に聞いてくる人。

もっと問題なのは、法律を説明しても、それにチャレンジしてきたり、無視して続行という人たち。


そういう人達は、あたしは、”Fire Clients”をする。

日本語に直訳すると、「お客を解雇する。」


たとえ、百万円、二百万円くらいの手数料を毎年頂いていても、”Fire”しちゃう。

やめまーす、って。



だって、この金額の為に、免許失うのやだ。

一応、あたしは専門家で専門知識があある。 お客には、詳しく教える。

そのうえで、いうこと聞かない客は、あたしにとっては、価値はない。

むしろ、そういったお客は、法律違反の域に足を踏み入れているので、やばい。

あたしはとばっちりを受けたくないので、さっさとおさらばさ。


個人事業を始めたばっかりの時は、収入が欲しいから、そういった客の言うことを聞いてしまう人もいるだろう。


あたしも、自分で始めたとき、老夫婦のお客さんからのプレッシャーで、ほんの少し、法律を5度ぐらい曲げて仕事をしたことがある。

しかし、結果、お咎めの手紙がお客さんにきてしまった。

それ以来、お客さんの気持ちはわかるけど、法律で決められていることは、その先は崖と思って、譲らない。

多少、グレーの部分が存在するときもあるが、その時は、こっちに行ったら、結果、こうなりますよ。こちら側に行けば、こういう可能性がありまっせ、と説明して、お客さんに選んでもらう。

選択をするのは、お客さんなので、あたしはメモっておく。 そして、責任は書類にサインをするお客さん。




じゃあ、失った収入は惜しくないのか?


はっきり言う。

惜しくない。 


だって、必ず、神さんが同額、または、それ以上の金額を与えてくれる、と信じているからだ。

そして、できる限り収入の十分の一を神さんに返している。



ということで、お客様は神様じゃねえよ。


神様は、なんでも持っているし、どのお客さんをこえる大金持ち。


なので、そろそろ、「お客様は神様です。」は死語になってほしいなぁ。



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