No. 144  謙虚であることの強さ

今日の土曜日は仕事であった。

安息日である明日の日曜日は・・・実は仕事になった。

理由は、同僚が一人突然やめてしまい、その穴を埋めるため。
そして、辞めることになったきっかけが私のコーヒーカップであったかもしれないので。


聖書には、"Humble"=「謙虚」になれ、ということが書かれている。 

謙虚になるには、自分がどーしよーもない「罪びと」であることを認識することに基づく。

「罪びと」というのは、むかーしのブログに書いたように、人妻と不倫した、とか、お縄頂戴になった、ということではない。 単に、神さんから離れてしまっている、ということだ。 神さんがこんなに愛してくれるのに、無視して生きている。 そのことである。

普段生きていて、すぐに神さんを忘れて、自分だけの判断で生きてしまうことがある。 でも、神さんは、いつも見守ってくれている。 神さん、見えないから、そうなっちゃうのかもしれない。

ともかく、私らは不完全な存在であるんだよね。 神さんの慈悲によって生かされている。 

そういう意識というか、布石を心の中においておかないと、人間って、自分のエゴイズムで動いてしまいがちである。 そして、自分が第一になってしまう。

でも、私らは、神さんの優しさによって、こうやって滅ぼされずに生きている。 偶然だ、ラッキーだ、と思うことも、実は神さんの計画であるのだよ。

だから、良いことすべて、自分の実力、って思っちゃうこと、これ、エゴなんだよね。 でも、神さんの見えない手が動いていたということに気がつかされることがある。 そういったとき、神さんにははーってひれ伏して、涙流して感謝して、自分の存在がいかに微小であるかに気がつかされる。 

そういう経験があると、どうしても、謙虚にならざる終えない。 自分はすごいぜ、なんて口が裂けても言えない。


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私の仕事はTaxだけど、コミッション制でお給料をいただく。 だから、数をこなせば、成績が上がる。 うちのOfficeに、3人ほどTop Performerがいる。 たった3ヶ月半の間に300人以上の顧客のTaxを処理してしまう人たちが。

その中の一人の人はほぼ10年間この仕事をしてきて、数をこなして、OfficeでTopであった。 Officeの席には、個人のものを置いてはいけないのだが、過去にとったMVPなどの賞の置物を沢山おいてある。 

また、10年近くやっていると、彼自身の「自分のやり方」と言うのがあったらしい。 たとえ、それが会社の方針から外れていても、それを変えようとはしなかったらしい。

彼の言葉の端々に見え隠れするのは、自分は毎年300から400件のTaxを処理しているんだ、という自慢であった。 確かに優秀なTax Advisorであるし、私もいろいろとAdviceを頂いた。 

去年、数年勤めたOffice Managerが辞めて、新しいManagerが入ってきた。 前のManagerと比べると、私たちへの負担が増える形のManagementになり、私らTax Advisorの間では、文句がかなり増えた。

私は、そういったゴシップにはなるべく参加しないようにした。 ただ、どうしても問題があるな、という場合には、裏でゴシップたたかず、マネジャーに直接E-mailして、進言した。

そんなマネジメントのやり方に嫌気がさしたのか、そのTop Performerは先週突然辞めてしまった。

辞める前日、私は自分の飲みかけのコーヒーカップを彼のデスクに置きっぱなしにして帰宅してしまった。 あと、顧客の過去のデーターを見るため、隣にある彼のComputerを使って、アクセスしたんだが、これも閉めずに開けっ放しにして、帰宅してしまったのである。 翌日気がついて、彼のメールボックスに「すみません。」とのメモを置いておいた。

彼は夜働き、私は昼間のシフトなので、顔を合わせることはなかった。

おととい、そのマネジャーに呼ばれて、彼が突然辞めた、ということを聞かされた。 そして、私が放置したコーヒーカップと開けっ放しのコンピュータースクリーンに対して、彼が激怒した、ということである。

その翌日に、彼は辞めた。

私のせいだろうか?

私はそうだとは思わなかった。 私のコーヒーカップ以前に、彼の中で積もりに積もった鬱憤と不満があったのだと思う。 私のコーヒーカップは、引き金になってしまっただけのこと。 コーヒーカップがなくとも、いづれ起こったことであっただろう。 なので、私の心はまったく重たくない。

しかし、Top Performerに連絡もなく、相談もなく、突然辞められたマネジャーは、蒼白モンだったであろう。 更には、うちのOfficeの人たちの評判もよくないマネジャーである。 かなりのショックではなかったであろうか。


たとえ、皆からみたら何も助けてくれないヘボマネージャーであろうけど、上司というものは、神さんが備えた権威である。 そう聖書に書いてある。 だから、私は他の人の愚痴を聞きながらも、やはり、ボスには従うべき、と思う。 その代わり、進言はしっかりする。 ときに、同僚の愚痴、ゴシップに影響され、多少頷いてしまうこともあるけど。 

ということで、明日の日曜日、そのTop Performerが抜けた分、穴埋めとして働きます、と手を挙げた。 そのマネジャーには、「私はあなたをサポートします。 一番大事なのは、顧客にしっかりと対応することです。」と言った。

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「謙虚」の言葉に戻ろう。

その辞めたTop Performerは謙虚であったか?

否。

確かに実力はあった。

しかし、エゴが強かった、というか、自己顕示が表面に出ていた。 私もその毛があるから(あったから、といいたいなぁ)、良くわかる。

「俺は、300‐400件のTaxをしている。」「こうして、座って新聞を読んでいるだけで、会社は時給にして$30以上くれているんだ。」「XX件のTaxをXX分で終わらせてしまったことがある。」

自己顕示の裏には、何らかのコンプレックスがある、と私は思っている。 会社のWebsiteの彼の肩書きを見ると、彼は短大卒のようだ。 一方、多くのTax Advisorは大卒。 彼の昼間の仕事は、大手航空会社である。 でも、そんななかで、短大卒の男性ということで肩身の狭い思いをしていたのかなぁ、と思ったことがある。 だって、日本では私もそうだったし。(だからアメリカに留学したんだけど。) まあ、これは余計な憶測である。


これが、聖書にあるように、常に感謝し、謙虚でいたら、どうであったろうか・・・。

「300件のTaxをこなせるようにしてくれたのは、神さんのお陰だ。」
「お客がいない間、新聞を読めるフリーの時間があるのも、神さんのお陰だ。」
「たった3ヶ月の仕事でこれだけいただけるのは、本当にありがたい。 神さんのお陰だ。」
「変な客がきた。 嫌な対応だった。 でも、神さん、有難う。」


常に神さんに感謝すると、謙虚にならざる終えない。 そうして、世界がばら色にみえないかなぁ・・・。

*****

2年前の2月ごろ、ブログに書いたと思うけど、私もこの仕事の一年目は、ストレスがすごかったし、脱水症状を起こすし、ほうほうの体であったけど、神さんにすがって、そして、マネジャーは神さんが与えた権威だから、とともかく従ってきた。 結果として、一緒に入ってきた7人の新人のうちで生き残った二人のうちの一人になった。

2年目の去年は、ただただ、神さんに十分の一献金をするため、神さんの栄光を仕事を通してあらわすため、と自分に言い聞かせてやってきた。 結果として、成績はあがり、お給料は倍になった。 絶対数は微々たるモンだけど。

この3年目は、昨年のお客さんをキープすることだけに集中している。 それが会社方針でもあるし。 全体の数は追わない、と決めた。 一人一人丁寧にTaxのファイリングをしている。
おかげさまで、去年のお客さんで電話してきて、私にTaxをしてほしい、と言ってくる人がこのところ多い。 ありがたいことである。 うれしいことである。


もしかして、売り上げを追わない私の態度、自分を犠牲にすることをいとわない私の態度が、そのTop Performerの彼にとっては、気に食わない存在だったのかもしれないなぁ・・・。


しかし、考えてみよう。
突然辞めた彼は、何を失ったか?

彼のサイドビジネスからの収入はこれでゼロである。
彼の顧客は、私たち残ったもので分けるから、私たちのTaxの件数は増えることになる。 なので、それぞれの同僚は、心の中では、「これで、私の顧客が増える。」と嬉しい気持ちもあるだろう。 

更に、彼と仲の良かった同僚でさえ、そのTop Performerは「Control Freakであったし、彼自身のやりかたを押し通したという問題があった」というではないか。 

私たち、残ったものにとっては、彼が出て行くことによって、失う物は何も無い。
失ったのは彼のほうである。

今日のオフィスの雰囲気は、彼の存在がない分、少しリラックスして、やわらかい感じがした。

もしかして、その彼は、別の新しいTaxをするFranchiseに行くかもしれないけど、そこでは、彼のやり方が通じるであろうか? 同じ給料であろうか・・・・。


私の心の中には、負けたのは彼である、というかすかな思いがある。


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今年も、小額ではあるが、少しつづお給料が振り込まれてきている。
まだ、10%を取り分けていない。

おりを見て、銀行にいって、より分けなければ。 これを聖別、っていうんだそうだ。

10%は神さんに返す分だもんね。


ということで、Super Bowl(アメリカの一大行事=フットボールのプロの全米一のチームを決める試合)の日曜日、仕事に行って来ます。


あかしや

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