No. 73 またやってくれた、ばかちんちん

本来なら、No. 73  すべて任せて飛ぶ その2、と来るはずだったのであるが、今日起こったことを書く。

うちのばか犬は1歳になった。 でも、物を噛む癖はまったく治らない。 毎日、何かが噛み砕かれて、床に散らばっている。 それを片付けるのも疲れてきた。  このばか犬が我が家に来てから、余計な事が増えて、疲労困憊となった一年であった。 あまりにも、いたずらが過ぎるので、最近は、「ばかちん」と呼ぶようになっている。

先週、時差ぼけフルスイングの時に、昼寝をしていた。 なんのきなしに起き上がってベッドの横をみると、ばかちんは、バッグの中から私の携帯電話をそろりと抜き出して、アンテナのところくわえて、そーっと引きずっていた。 

現行犯逮捕とあいなった。


今日の午後、自分のオフィス野暮用をしていると、突然、子供達が大声を上げながら入ってきた。

「たいへんだー!! ○○(犬の本名)がマミーの電話を食べたーー!!!」


なにぃーっと、寝室へかけていった。 そこにあったのは、かじられた私の携帯電話。 ソフトカバーをつけてあったのだが、その下半分がかじられていた。 アンテナの先のプラスチックは消えていた。 延長アンテナは、曲がっていて、中に押し込んでも入っていかない。 細い針金が出たまんまになってしまった。 アンテナの元の太い部分には、歯型ががじがじに後を残していた。

しかし、電話は死んではいなかった。 なので、歯型のついた電話だけども、そのまま使うことができるので、買い替えの必要はない。

ただ、ばかちんは、証拠をしっかりと残し、双子の証人もいるので、執行猶予なし、情状酌量なしの確信犯である。 

電話を鼻っ面に持ってきて、「ばかちん。 この、ばかばかばかばかばかばかばかーーーー!!!」 と頭とお尻を何回かひっぱたいた。  こうして教えないと、再犯となる。

昨日の礼拝の牧師のメッセージの冒頭は、「Dog Wisperer」(犬と会話が出来、どんな犬でも手なずけてしまう人のこと)の話であった。 そういったDog Wispererは犬を大声で決して叱らない、手を挙げない、とのこと。 

そのメッセージを聞いた翌日に、しっかりと飼い犬をひっぱたいている私である。  これを馬耳東風という。



旦那はいつも4時過ぎに帰宅する。 帰宅したところを見計らって、買い物と郵便局に行った。 郵便局では長蛇の列。 そこで用を思いだし、旦那に電話。 電話に出たとたん、旦那が子供と犬に向かって、ものすごい勢いで怒鳴り、叫んだ。 多分、犬に飛び掛られ、子供も犬の共犯者だったのだろう。

何故か、旦那の叫び声が郵便局に響き渡り、長蛇の列の人たちが一斉に私の方を振り向いた。

?????????


携帯電話のスピーカー機能がオンになっていたのだ。 


旦那の罵声が響いた。


いそいで、会話の途中であったが、ぶちっと電話を切った。  スピーカーモードなんて使ったことがないから、オフにするのに一苦労した。 スピーカーモードは、補聴器を使っている人の為にある。 こうした方が聞きやすいのである。


ばかちんが携帯電話を噛んだ時、電話の側面にあるボタンも噛んでしまい、スピーカーモードがオンになったと推測した。 お陰で、家庭の恥が公共の場で公になってしまったのだった。



娘がばかちんの歌を作った。

♪ばかちんちんちんちん ばかちんちん♪    

♪ばかちんちんちんちん ばかちんちん♪

と歌いながら家の中を走り回る。



この娘に馬乗りにされたり、どかーんと飛び乗られたりしても、ばかちんは怒らない。 見る限りでは、かなり痛そうである。 しかし、ばかちんは、がぁーっって口をあけて、じゃれあって、娘と遊んでいる。 他の犬だったら、娘はとうに咬み殺されているにちがいない。

そんなんで、携帯電話破壊未遂事件には、私は怒ったが、すぐに赦した。 それきりで、うじうじするのは辞めた。


主の祈りにある。

我らが人を赦すすごとく、我らの罪をも赦したまえ。



神さん、今日は、あなたが言われるように、私はばか犬を赦しました。  こんな私の毎日のあほな行動を赦してください。

あー、また旦那が叫んでいる。 子供に何かされたらしい。 ばかちんも私が寝室にいくのを待っているだろう。 なので、コンピューターに向かうのは、もうおっしまーいい。 もう、寝るとしよう。

おおっ! ばかちんが今、私のオフィスに入ってきたぞ。 ああっ! ごみばこに鼻をつっこんでいる。 おい、やめてくれ、これ以上、床にゴミをまきちらすのは。 


ああー、ばかちんよ、いつになったら、物を噛むのを辞めてくれるのか。 

いつになったら、ごみばこから、ごみを出して撒き散らすのを辞めてくれるのか。

わたしゃ、疲れたよ。 


あかしや番頭     
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