No. 210 「責任」まわしのドッジボール大会

バブルでわいわいして、アメリカに飛んでしまった私には、「ゆとり世代」というのがわからなかった。

若い日本人の人を雇ったというオフィスを訪問した。その若い人とやり取りした時、「ん?? 反応がないなぁ、。。」と疑問におもったことがあった。

横にいた人が、「あれが『ゆとり世代』なのよ。」と教えてもらった。

ゆとり教育、ってのは、聞いたことがあったけど、それが世代を象徴する言葉となっていたのか。 そういう「世代」ってのが日本にもあるのね、とちょっくら調査した。




団塊の世代、しらけ世代、バブル世代、氷河期世代、プレッシャー世代、ゆとり世代。

そういうのがあるんだ。

時代背景、教育背景、とくに経済状況によって、その中を日本で生きてきた人たちを総称している。 全員がその呼称にあてはまるわけではない。 

かわいそうにおもうのは、年齢をきいて、「あの人はゆとりだからね。。」と評価が一瞬できまってしまうこと。

一方、ゆとり世代の上司、組織、仕事の仕方は、ゆとり世代とは違う価値観のもとに出来上がっている。順応できないと、かなりやばい、とも思う。

順応しないで抵抗する人もいるだろうし、マイウエイを通す人もいるかもしれない。上司うざい、とか、仕事の後の飲み会はいきません、と突っぱね、「ゆとりですが、なにか?」って。

すると、ゆとり世代って面倒な世代だが、層が厚くないので、会社の対応としては、スルーして、大事な仕事は、上か下の世代に任した方が、効率が良い、と思われるんじゃないの。または、はなから採用されないってこともあるのかも。




ゆとり世代の前はプレッシャー世代や氷河期世代、というらしい。

日本経済がどん底の時を通ってきたので、「今の職場を逃したら、次がない」、という恐怖はいつもつきまとっていたのだろう。

なので、「失敗」に対する反応が過敏ではないか、と思うことがある。


日本人以外は、一般的に「失敗」は潔く認めない傾向がある。 

対極にあるのが日本人。


「申し訳ございません。」は、BGMと化した常套文句。

「この責任はどうするんですか!」「責任とってくれますか!」と、一方的に相手に責任があると信じて疑わない発言、も頻繁に聞く言葉。

不倫報道に続く「謝罪記者会見」で、記者と芸能人の間で繰り返される「責任」という言葉でもある。

視聴率が上がってスポンサーが喜ぶから、記者会見ってするのかなぁ? 

会場を借りる費用は誰がはらうのかな、と疑問に思うことも。

アメリカにいると、日本の芸能人の記者会見って、見れないので、たまに、YouTubeで検索してみるけど、途中で切ってしまう。面白くないし。


おっと話がそれた。

近年「自己責任」という言葉が日本で、頻繁に使われ始めている。

それまで、まかり通ってきた「この責任、あなたが取ってください。」へのアンチテーゼとして出てきた言葉なのだろう。


うーん。「責任」というボールをのように、みんなでパスしているなぁ。

というか、パスしまくって、投げつけて、相手に当てれば 勝ち!っていうドッジボールだわ。


あたし、日本にいた時は、パスし続けられる責任ボールをうけとらずに、パス陣営から、勝手に去る、ということもした。 なので、一緒にいると、何をされるかわからない、と思われた節もあった。これは、旅行などの個人的な遊びのレベル。




忘れられないことがある。日本の最後の職場で、責任ボールを持ったはいいが、私のミス、というか軽視により、販促物が間に合わない、という事態が起こってしまった。

そんな私に上司の一人が、責任ボールを横からすっとインターセプトして、フォローしてくれたことがあった。

なよなよとしていた決断を下さない上司だったので、心の中でバカにしていた人だった。

でも、その方に助けられた。

それまでは、「あたしの思うことは正しい。」、と大手を振って生きてきた若気の至り。

肩の広いビジネススーツの自分が「あ。。。」と口を半開きにして、下にうつ向いていた。 時間が止まったようであった。

その後、アメリカ留学の為に退職した。

その上司に挨拶にいったとき、下手したら、涙が出るから、こらえるために、口数が極端に少なかった。 ちゃんとお礼言ったっけ。。。


私は心優しく、へりくだっているから、あなた方も私のくびきを追って、わたしからまなびなさい。そうすれば、たましいに安らぎが来ます。

マタイ 11:29


へりくだることは、なよなよすることではない。その上司のように、いざというときは助けられる十分な力を持っているが、敢えてその強さを外に出さないことである。


あの課長、どうしてんだろうなぁ。。。

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