No. 214 みくにじん
私には面白い友人がいる。たくさんいる。
その中の一人、Yというのだが、声が大きく、いつも「ぎゃははは!!」とわらう。
会社帰りの横須賀線の中とか、スキーに行く中央線の中で、彼女が話すと、周りのまったくの他人が、いやでも聞こえてしまう会話に噴き出していた。
2000年のことであった。
日本では、当時の東京都知事の石原慎太郎氏の発言が話題になっていたころ。
「三国人」という言葉がマスコミをにぎわしていた。
ちょうど、その時帰国したと思う。
仲間と食事をしていた時の話題。その声がでかいYがいた。
「あたしさー、新聞で『三国人』ってたくさん書かれていて、何のことかわからなかったよ。だからさー、あたしさぁ、『みくにじん』って呼んじゃったよ。 んで、『みくにじん』って、誰!?って思っちゃったよー!」
たぶん、周りの人に笑われていたはず。。。
私も浦島太郎だったから、『三国人』ってなんだかわからず。
みくに、って聞いて、とっさに思うのは、「みくにのあられ」。
当時は、亀田製菓より、コマーシャルが多かったと思う。
後で調べたら、そのみくにじん、って第三国人のことらしい。詳しくはWikipediaに解説を譲る。 ついでに石原慎太郎氏のこともWikiを張っておく。
今日は、寝坊して、礼拝を聞き損ねた。 今日からサマータイム(英語でDaylight Saving Time)であった。以前から、Warningは出ていたのだが、起きたら、もう礼拝が終わっていた。
あー、と思ったが、幸い2時から、日本語による会合がZoomであった。
そこで、教わったのは、祈り方。
イエスの弟子たちが、イエス兄さんがやたら一人で祈っているのをみて、どうやって祈ったらいいんすか?って聞いたので、教えてくれたのが以下。
「天にまします我らの神よ。願わくば御名(みな)をあがめさせたまえ。
御国を来たらせたまえ。われらの糧を今日も与えたまえ。
みこころの天になるごとく、地にもなさせたまえ。
われらがわれらの罪を許す如く、地にもなさせたまえ。
われらに罪を犯すものをわれらが許す如く、われらの罪をもゆるしたまえ。
われらを試みにあわせず、悪より救い出したまえ。
国と力と栄とは、限りなくなんじのものなればなり。あーめん。」
この祈りは暗記している。
小学校のころ、友人に連れられて通った地元の教会。心ひそかに思いを寄せた年上の高校生も通っていた。
そこで、なんとなく覚えてしまった。
でも、意味がほとんどわかっていない。
だって、文語体の日本語を10歳の子供が理解できるわけない。 それに、罪って言葉だって、とんちんかんだった。
あれから、ウン十年たったが、なぜか、覚えている。
主の祈り中で、「御国=”みくに”」という言葉がある。
勉強中だったが、「みくにのあられ」を検索してしまった。 三重県にあるあられ製造の会社がヒット。でも、東京にも横浜にも、みくに製菓があるらしい。
コマーシャルのみくにのあられの製造社は果たしてだれなのか。あー、また今晩気になってねれない。
さらに、洗濯機に消えていく靴下の片方のはどうなったのか、というミステリーも考えてしまったので、さらに、夜寝れない。
あられと行方不明の靴下はさておき、問題は、その御国=みくに、である。
あるいは、神の国のこと。
神の国とその義をまず第一に求めなさい。
そうすれば、それに加えて、これらのものはすべて与えられます。
マタイ6:33
これらのもの、というのは、その節の前に書いてある人間が日々求めるもの。
私ら、人間はいつも俗世的なことを祈りがちだ。
「あの人気に食わないから、遠ざけてください。」
「この仕事いやだから、次の仕事を与えてください。」
「お給料あげてください。」
こういった祈りが聞かるときもあるし、ない時もある。
今日おそわったのは、「みくにが来ますように。」という祈りは、私たちの祈りの答えが凝縮されている、ってこと。
つまり、こういった世俗的な祈りも、「みくにがきますように!」と、まず最初に、第一に祈ることによって、すべてが網羅されてしまうってこと。
御国は、天国なのかもしれない。または、エデンの園みたいなところかもしれない。
食べる心配、職を失う心配、人をうらやむってこともない場所。
ライオンと羊が一緒に暮らせる場所。
へびと赤ちゃんが一緒に転がっていられる場所。
そういう場所がこの地にできたら、俗世の嫌なことがない。
だから、そもそも、こういった祈りも不要になるんだろうね。
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現代は、TwitterやTextなどの一行二行でのコミュニケーションで事が済む時代。
だらだら ぐだぐだ、文句やら、自己中な祈りなんかより、一言、「みくにがきますように! 神さん、あんただけやで!」と3秒で祈れるじゃん、と思う。
これは、いい話だ! 特に、今、すんげーいそがしいあたしにとっては。
夕方のお散歩時、「神さん!御国がここに来ますように! 神さん、あんただけやで!」と空に向かってつぶいたら、空が輝いた、というか、広がったような気がした。
これ以上、求めなくていいんだなぁ。簡単でいいなぁ、とうれしくなった。
本当にあほで単純なあたしである。
ちなみに、いい話を福音、という。
新宿コマ劇場跡でうろうろしている家出少年少女に向かってやくざな人が「ねーちゃん、いい話があるんやで~。」というように、「ねーちゃん、福音があるんやで~。」と言うことって、あり、だと思う。
祈りは、難しくない。 一言、「御国がきますように!」から始めてみたら?
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