No. 14 株

今日(日本時間 5月10日)の毎日新聞で、日本の年間自殺者の数を警察と別の政府機関での統計の取り方を調整したら、毎年、3万人の自殺者がいるそうな。 3万人って、ちょっとした大企業3社の本社の人数くらいだろう。 例えば、丸の内の大きな会社の本社ビルが3軒あるとする。 そこで働いている人が、毎日減っていって、一年たつ頃には、そのビルには誰もいなくなる、ということである。 これって、ただごとではない。 

そういやー、私が19歳と20歳のころ、二人の友達を自殺で失った。 二人ともガス管くわえて死んでいったよ。 でも、理由は今とは違っていた。 一人は良くわからないけれど、もう一人は恋愛のもつれからであった。 一方、ニュース記事によれば、今の日本では、格差がひろがり、弱者への思いやりがないから、自殺者が増えている、とのことだ。 日本のネットで、まぐまぐなどをみると、金持ちになりたい系のメルマガ上位に来ている。 また、ベストセラーもお金儲けのものがある。 株で何億もうける方法とかね。


私も株やって7年くらい経つかな? こっちの大学の学位が会計と経営なんで、バランスシートは一応、理解できる。 ベータとかPE Ratio、Current Ratioとか、いろいろ判断材料も勉強済みである。 地元の小さな会社を見学して、バランスシートを見て、投資して、倍にしたこともある。 でも、15万円が30万円になったくらいのことである。 (これが双子の体外受精費用の一部となったのだ。) ネット上の株式売買はアメリカでは、もう10年以上も前から存在している。 1995年あたりのDot.Comブームのあたりから、個人投資家が増えて、Day Traderといって、家で個人で株の売買をやって生活を立てている人たちも、結構いるよ。 

双子が生まれたときは、529 College Fundとなるものができた頃であった。 それにすぐ投資をはじめた。 子供の大学資金の為である。 529というのは、アメリカの税制の法律の番号名である。 ファンドの持ち主は私で、私が死んだときの受け取り人を子供にしておく。(Beneficiary) 入れるお金は税金を払った後のお金。 子供か自分の教育目的で取り出す場合は無税となる。 つまり、株の売買によるキャピタル・ゲインにも税金がかからない、ってやつさ。 別途、自分自身のリタイアの為のファンドも一年以上前に作っておいた。 さらに、旦那のファンドも給料天引きで投資してある。 

しかし、2年前、シンガポールにいってからは、そのポートフォリオ(株や国債、社債、現金などを組み合わせ構成)をまったくいじっていなかった。 その当時は、アメリカでは、株が落ちて、Bond(債)があがったので、株への割合をどっと落として、Bond、海外株、小さい会社の株に移しておいたので、損はしなかったが、あまり儲かりもしなかった。 ここにきて、母の死によって、変な意味で、長期的に将来を見れるようになったので、再び、株、というかポートフォリオを見直している。

日本人の人に株や投資の話をすると、おばあちゃんが株で損したから、やらない、とか、あまり良いイメージをもっている人がいないようである。 しかし、日本の銀行金利が低い(なんだよー1%って!)くせに、これから年金が減るってんだから、やはり、株くらいしか将来の生活の安定が図れないではないか。 あとは、こつこつ貯金といっても、インフレがあれば、それに追いつかないと、退職後の生活がなりたたない。 アメリカは70年代の石油ショックとインフレによって、手持ちのお金が目減りした年金生活者の老人が一番打撃を受けた。 なので、Federal Reserve Bank (連邦の銀行)が、常にインフレ抑制が一番の関心ごとなのである。 そういえば、ここのところ、金利(といっても数種類ある)があがってきて、住宅ローンの率もあがり、長期預金(CD)の金利も良いところで5%、というのも出てきた。 

あまり専門的なことは、避けるとして・・・。 株というのは、確かに損はすることもある。 私も去年はある製薬会社の株でちょっと損した。 でも、個人税金申告で控除してしまったよーん。 税金のことも特別に勉強したので、学費はこのように元をとっているのである。

株、というのはやはり、バランスシートを読む力、税金の知識、市場の動き、自分なりの調査の方法があれば、怖いことではないのである。 でも、調査には時間がかかる。 子供がいる人にはちょっと難しいであろう。 ならば、日本語でいう信託投資がいいのかもしれない。 日本の手数料と最低投資金額が高そうである。 こっちだと、Japan FundとかLatin American Fundが大手証券会社のウエブサイトで25万円からセットアップできる。 そういう意味で、日本より、アメリカでの投資環境は整っていると思う。

ひとつの株に大きい金額をかければ、それはリスク大きいけど、いろんな性質をもった投資先ってのがあるので、それを組み合わせたファンドに投資すれば、さほど怖くはないのである。 アメリカでは、投資というは、今はベビーブーマーの動向に大きく左右されている、という理論もあるので、これから保守的な方向に行くのかもしれないね。

投資業界は、なんで、アメリカが進んでいるのか? (株式市場はロンドンが一番進んでいると思うが・・) それは、アメリカが痛い思いを1929年にしたからである。 大恐慌。 原因はいろいろあるが、株の発行のしすぎ、という説もある。 ニューヨークのビルから飛び降りる人もいたそうだ。 確かに、株って会社の業績落ちたり、倒産すれば、ただの紙切れである。 聞くに新しいのは、Enron社のスキャンダル。 会計事務所のArther Andersenは消えてなくなった。 あたりめーだ。 ビルの借金を隠したりしたんだから。 ビルひとつ、どうやって隠すんだよ! ざぶとんの下か? 多くの自殺者を出したアメリカ。 痛い思いをしたアメリカ。 そのあとは、厳しい法律を二つだした。 それは、今でも健在である。 法律の中では、Disclosure(情報公開)をものすごく厳しく要求している。

日本は原爆が落とされて、終戦。 この衝撃から、日本国憲法には非武装、戦争放棄などという、この世にも珍しい憲法となってしまった。 それだけ、第二次大戦は「痛かった」のである。 

日本の社会保険制度はヨーロッパのと同じ。 社会主義的に国がすべて面倒を看ている。 これは、第二次大戦後、焦土化した国、日本、ヨーロッパに見られる。 アメリカにはそれがない。 すべて営利目的の会社が健康保険を売っている。 健康と身の安全は買うのがアメリカである。 アメリカ大陸は焦土と化していないから、「痛み」を知らない。

株の話に戻ろう。 では、日本には、そういったアメリカのような厳しい法律があるのか? あると思う。 金融関係でもあると思う。 でも、多分甘い、と思う。 失われた10年の間にちんたらちんたら銀行の不良債権を片付けていたが、銀行関係の人間で牢屋にぶちこまれた人はいなかったであろう。 知り合いのお父さんが大手銀行のおえらいさんだったが、ある日ホテルで首吊り自殺をした。 ニュースで聞いたときは、驚いた。 そんな悲惨な出来事はあったが、法律によって、お縄になる銀行員はいなかったと思う。 アメリカでは、80年代にS&Lスキャンダルというのがあった。 SはSaving Lはローン。 日本で言うと無尽講の会社組織みたいのかなぁ? よくわかんないけど、ある種類の金融機関が破綻した。 預かったお金は短期預かりで、そのお金を長期で貸していた(反対だったかな?)だったから、破綻したと、おぼろげに記憶している。 (もしかしたら、ちがっているかもしれないので、興味ある人は自分で調査せい。) その騒動のときは、アメリカはマネジャーやら沢山牢屋にぶちこんで、税金を使って片付けた。 なので、日本みたいに10年以上もちんたらせずに、以外に早く、片付いた。

ほりえもんが牢屋にぶちこまれて、3億だったっけ?の保釈金を積んでシャバに戻った。 私にしてみれば、何を時代遅れなことしてんのさ、てとこだね。 M&AとかHostile Takeoverなんて、こちらでは10年も前にやっていたよ。 ほりえもん、ちょっと目立ったようだから、やっかんだ人たちが政府機関にプレッシャーかけて、逮捕されただけだと思う。 人身御供にされただけだ、とおもうんだけど。 本当に悪いやつらは別にいる。 めだたないけど、インサイダートレードしている輩なんて沢山いるんだろう。 

今、Fidelityという証券会社のJapan Fundのリターンは30-40%だ。 短期ならお買い得かな、と見守っている。 ラテンアメリカのファンドはリターン70%。 これも超短期ならいいかもしれない。 ただ、毎日のように、動きを見ていなければならないのが、ちょっとなぁ。めんどくさいなぁ。でも、やってみるか。 といっても、たいした金額ではないが。 ピアノが買えて、子供たちの習い事の費用が出ればいいな。 おっと! ハーレーもだ。

日本は今株ブームであるが、日本の金融・証券業界自体に甘さがあるように思える。 それに、日本の借金って、国民ひとりあたり600万円くらいになっているから、日本事態が破産するかもしれない。 国債なんて買ったって、かみっぺらになってしまうかも。 まだ、「痛い」思いをしていないので、以外にも早く、日本株の暴落ってくるんじゃないか、とちょっと心配している。 例えば、株価がどーんとあがって、皆が飛びついた会社の会計報告が正しくなかった(情報公開の不十分)、なんて事件があって、それをきっかけに大暴落、なんてシナリオが簡単に想像できてしまう。 なので、日本株は短期勝負かな、と思う。

何がいいたいかっていうと、「痛み」「つらさ」「困難」「苦しみ」っていやじゃない。 できれば、避けて通りたい。 でも、後からみると、苦難がないと、「改善」は来ない、と思う。 つらい思いをして、やっと人の気持ちがわかるとか、苦しみの中から、新しい道が開けるとか。 考えてみてよ。 1983?5?年のプラザ合意の後の円高で輸出を主とする製造業は大変だった。 コストダウン、コストダウンの毎日。 すごかったよーん。 わたしゃ、そん時、某大手電気メーカーで商品企画と海外マーケティングが仕事だったから、そりゃー円高のインパクトを身にしみているわい。 一円為替が違えば、会社自体の損益何億円、って響くんだから。 でも、そういった厳しい局面を迎えたあと、日本の製造業はかなりスリムダウンして、その後のちょっとした為替変動にはひるまなかった。

まあ、今日はちょっと経済学的になって、悪いなぁと思うけど、それでも少し易しく書いたたつもりであるが、どうでしょうか。 

さて、私たち、とくに旦那はシンガポールでかなりしんどい思いをした。 しかし、その困難と苦しみの理由は、私たち家族の命が救われるためであった、と一昨年の12月25日の夜中、CNNのニュースをみているときに、わかった。 インドネシア沖地震。 鳥肌がたち、戦慄をおぼえた。 それは、天のおとうさんのしわざであったのだ。  

そうか、やっぱ、津波のこと書かなきゃならない終わり方になっちゃったよ。 もう、夜中だわ。 寝る。 見直しは明日だけど、アップして寝ちゃうもんね。 お休み。

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追記:
これ見ているアメリカにいるおかーさんたち、おとーさんたち、一応、Fidelity Investmentの529 College Fundのリンクを貼っておくね。 別にFidelityじゃなくても、お手持ちの銀行でやっていればそれでもいいじゃん。 最近、529 College Fundの手数料が高い、という記事が新聞にのっていたので、ご自分でいろいろ比較してみてください。

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