No. 26 見上げてごらん、夜の星を

5月29日の月曜日は、アメリカでは、戦没者追悼の日である。 Memorial Dayという。 しかし、第二次世界大戦に行った兵士たちはすでに80歳はなっているだろうから、戦争のことを伝える人たちは減っている。 朝鮮戦争はアメリカでは忘れられた戦争と言われる。 この戦争に行った人たちも70歳代、80歳代、となり、戦争のことを後世に伝える口の数が減ってきている。 だからかどうかわからんが、このMemorial Dayは一般アメリカ人にとっては、子供たちが夏休みに入ってからの最初の3連休であり、夏の始まりである。 なので、ちょっとした外出や、バーベキューをする日、となっている。 また、商戦日でもある。 メモリアル・デーのセールの広告がとても多い。 

そんな世事には見向きもせず、うちら家族は旦那のオフィスの人が週末を過ごしている、”Ranchito”(ランチート)に2泊3日で行ってきた。 別荘というと、日本人にとっては、軽井沢の涼しい林の中の一軒家、と思い浮かべるが、このランチートはその「別荘」からは程遠い。 トレイラーランチとして、一部の土地を売りに出すことがある。 その土地の一角を買う。 30平米くらいの土地である。 それも日本の首都圏では考えられない20万円とか50万円である。 コンクリートを自分たちでといて、流し、平らにして、土台を作ったあと、ピックアップトラックの後ろにつけてあるキャンピングカーを持ってきて、置く。 下水、水道、電気などは自分で溝を掘って設置したという。 木にかこまれているので、日陰があって、とてもよい、が、蚊もいる。  「ランチート」は英語のRanch、つまり農場みたいのかな、そのスペイン語は「ランチョ」である。 スペイン語の「~ito」は小さいという意味なので、ランチートは小さい農場、といういう意味である。

Davidという招待してくれた人は、奥さんと二人で、デッキ(縁側の大きいやつ)をつくり、週末ごとに広げていったそうだ。 デッキだけで、日本のワンルームマンションの2-3倍の大きさである。 10年以上、毎週末、ランチートに来ているそうだ。 ダラスから2時間かからない距離なので、気楽に行かれる。 一週間、オフィスで忙しい時や、いやなことをこなし、週末はここに逃げてくる、ということである。 何年か前に隣の人が所有の区画を売りたい、というので隣接した土地も買ったそうだ。 そのあいている土地に、わが家族は、大きなテントを張った。 

夕飯のバーベキューを食べて、そばの湖に出ている埠頭までいって、星を見ていた。 久しぶりであった、星を見たのは。 北斗七星から北極星を見つけるのは知っている。 夏だから、さそり座もでる。 オリオンはさそりにかまれた、とうい伝説があるように、一緒の季節には出ない。 オリオンは冬の星座である。 カシオペアは見つからなかった。 知っている星座はそれだけであった。 しかし、それ以外にも沢山の星座があるんだなぁ、と改めて驚く。 昔の人たち、特に海に出る人たちは、星を頼りに歩んでいった、船の帆を操ったのだなあ、と思うと、遙かなる昔に生きていた人たちへの親しみみたいのが湧いてきた。

イエス兄さんが生まれたときは、東方の博士たちが星を頼りに、マリア、ヨセフ、初子の逃亡資金を携えて、たずねてきてくれた。 ノストラダムスの予言(預言ではないぞ)では、1999年の9だっけ?7だっけ?の月に星が十字に並ぶ、グランドクロスが起こり、大変なことが起こると翻訳者たちが1970年代から騒いでいた。 でも、何もおこらなかった。 ノストラダムスの翻訳には、意訳しすぎる部分もかなりあるかもしれないので、聖書ほど信憑性はないであろう。 しかし、1999年からいろんな予兆が徐徐には、起こっている。 北朝鮮、テロ事件、イラク、アフガニスタン、など。  映画「オーメンIII」では、救世主が生まれる日時場所を天文台のコンピューターではじきだしていたっけ。 (ところで、オーメンIIIの成人したダミアンを演じた役者はジュラシックパークIの主人公の考古学者を演じた人だよ。) 北朝鮮の核兵器については、一部の星占学者はPluto(冥王星)が北朝鮮上を通っているのであぶない、とも言っていた。 なお、西洋占星術をはじめ、占いについては、別途長く述べたいので、ここでは深く触れない。

フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』でPlutoを検索してみると、面白いつながりあることがわかった。 Plutoはプルトニウムの語源だそうだ。 核兵器につかわれるプルトニウムと冥王星が通った北朝鮮・・・、うーむ。 何かあるのか? また、聖書には、ハデスという言葉も死後の世界をさすものとして出てくる。 このハデスはギリシャ神話にでてくるもので、プルートはローマ神話である。 ハデスとプルートは同じ意味ということらしい。 へえ、これですこし聖書の分からなかった用語がわかったぞ。 詳しくは下記にて。 


プルート

もし、上記のリンクがうまくいかなかったら、http://ja.wikipedia.org/ へ行って、「プルート」と入れて、検索してみてちょ。  お手数かけますだ。

上記、聖書に準じてない例も、浮世の一般のはなしとして、例にあげたが、それだけ、空、夜空は大切なメッセージを人間に与えてきてくれているのである、と思う。 一方、近頃の先進国の人間は忙しく、空気汚染もあるので、空や夜空を見上げる、という時間がほとんどないであろう。 

聖書には、マタイの24章から25章の13節あたりや黙示録という怖いところもある。 キリスト教は愛の宗教だ、と言われておきながら、こういったこわーい部分もあるのだ。 その愛の部分とこの世が滅びるという部分がすぐには結びつかなくて、矛盾を感じて去っていく人もいるだろう。 断片的に、聖書の部分部分だけを取り上げて結びつけようとしても、無理があると思う。 まず、天のお父さんとイエス兄さんを信じる、というところからはじまって、この世の滅びの「向こう」がある、ということを知るには、やはり、聖書を読み、天のお父さんに話しかけて、そして、教会にいって、牧師先生にいろいろ質問をしていくうちに、分かることだと思う。

そのこわーい聖書の箇所の中には、「しるし」が天に現れると書いてあり、「だから、目を覚ましていなさい」とか「用心していなさい」とも書いてある。 なので、どうやら、いろいろなことの予兆を感じるには天、空を見ることが必要なのであろう。

地震の前には、地震雲が出る、という話が昔からあるらしい。 去年の春、日本(横浜)にいた4月、やたら地震があった。 一日に3回あったという日もあった。 これは、震度4でも寝てしまう私にとっても、初めての経験であった。 地震頻発の折、テレビで地震雲のことを特集していた。 地震雲は、地下岩盤の圧電現象により、地上の電界が変わってそいういった雲が出るとか。 まあ、詳しいことは各自しらべてちょ。 関東地方の大地震は70年周期らしいので、東京、横浜あたり、いつ大地震が襲ってもおかしくはない。 なので、一部の人たちは、敏感になっているだろうなぁ。 私も、これからは、あまり関東地方へ帰りたくないのは、大地震があって、アメリカの家族の元にかえれなくなったらいや、だからである。

昔5年間ほど、神奈川県は葉山の森戸海岸で、毎週末、ヨットレース(ディンギークラス)の練習をしていた。 クルーザーではなく、帆2枚だけで、7mほどの小船を二人で操って、だーれが一番?っていうものであるので、風の向きと天候は安全対策や練習計画に大きくかかわる。 翌日の天候は、葉山から見える富士山の左側に引いたような雲があれば、翌日は強風、という話もあった。 浜にいる網を繕っている老漁師に聞けば、「明日はなぎ(凪=無風状態)だべ~。」などと教えてくれたが、まったくあたらないときもあった。 波の状態は、地形と風向きから十分わかる。 南や西から長時間、強風がふけば、南西に開いている葉山一帯の湾では、時間とともに、うねりが出る。 遠くから来る波の波長が時間とともに、長く大きくなるためである。 一方、北風は逗子のうしろの山にさえぎられて、以外にもうねりは出ない。 風の状態は海面を見れば、すぐわかる。 風というものは、一定方向に一定の強さでは吹かない。 一部だけ、海面が濃いいろになる場所がある。 これをブローという。 英語のBlowである。 そこが風が強くあたっているところなのである。 ヨットレースはそういった風の強い部分をうまく使い、且つ、海だから潮の流れ、時間による潮の変化と風の向きも考えに入れないと勝てない。 おととい、Davidの船で湖にでたとき、すぐに風の方向がわかった。 ほおにあたる風ですぐわかる。 この感性はいまでも持ち続けている。 

フロリダにいるときは、雨がいつ降るのか、大体わかった。 家の周りは高層ビルはないし、ちょっと家の外へ車で1分でれば、大沼沢地(厳密にいうと川だそうだ)のEverglades(エバグレイズ)があった。 なので、大空のありさまが良く見える。 雲の動きがわかるのである。 雨雲が来るのもわかる。 風の向き、雨の匂い、雲の色でわかる。 雷の発生も雲のでき方でわかる。 フロリダキィの国道一号線を走っていて、あの雲、おかしいなぁと思っていると、またたくまに、その雲からwater spoutといって、海上の竜巻が3本も出来ていた。 焦って宿にいる夫と赤ちゃんだった双子のところにいって、大変だ!というと、海の男の旦那は、ああ、あれね。 小規模なんで、被害はないよ、とのんびりしていた。 やつも空は分かるのである。 

テキサスでは、竜巻に気をつけねばならない。 といっても、我が家のあるところは、なぜか、そういった災害があまり来ない。 いつも東北~北の方に竜巻が起こる。 竜巻が起こるのは、大陸からの冷たい空気の下に、海から来た暖かい空気が急にもぐりこんで起こる。 それが、Torndado Alley(竜巻の通り道)と呼ばれるオクラホマの南部などに4月あたりに頻発する。 竜巻が来るときは、蒸気機関車のような「シュッシュッシュッ」という音が聞こえるという。 あと、ものすごい風雨と雷。 ハリケーンのように、衛星で来るのを予測はできない。 ただ、ここら辺に起こる可能性がある、という警告がレーダーの画面に赤い平行四辺形の形で、「範囲」を持って出されるだけである。 竜巻はここです、というレーダーはない。 なので、いくら安全な場所、といっても、注意報が出れば、窓のない、小さいバスルームにある浴槽の中に逃げ込む心づもりをする。 ダラスあたりでは、地下室がないので、バスタブに隠れるしかないのである。

ハリケーンといえば、フロリダの土着インディアンのミコスキーインディアンは白人たちに追われて、エバグレイズに身をよせるようになった。 そこの90歳とも100歳とも言われるおばあさんは、昔、ミコスキーインディアンたちはいつ、何個ハリケーンがくるのか分かっていた、という。 その年の草木の生え方によってわかるとか。 今は、衛星から送られる映像にインディアンもTVを通して、見ているから、草木によって予測できる人はいないらしい。 

自然の中に、数日身を任せていると、いつのまにか五感がとぎすまされてきてくる。 ロッキーの山の中をバックパックでキャンプしたとき、大きな「存在」が1マイルほど先にいるのが、感覚というか、圧力みたいので伝わってきたことがあった。 「ここにいるぞ。」というような。 旦那とその山の友人にいったら、あまり真剣に取り合ってくれなかった。 翌日、レンジャーが馬にのってキャンプ地にきて、「ここから1.5マイル先に子供連れの母熊がいるから、気をつけるように」と警告しにきた。 子供を連れた母熊は、ものすごく危険な存在なのである。 子供がいないときは、距離があれば襲ってはこないが、子供がいると、過敏な母親は遠くからでも襲ってくる。 なので、山の中で襲われる確率は急にあがる。 私が感じたのは、その母熊の存在であった。 こういった原始的、本能的な感性は人間誰しも持っているのだと思う。 人間の営みが自然から離れていくにしたがって、なりを潜めてしまうだけだと思う。

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夏というのは、家族全員そろって自然の中に身をどっぷりと漬けることのできる良い季節だと思う。 暑いのと、蚊や虫がいるのがいやって人は、秋の自然もいいものである。 山に行けば、もう冬支度だから寒いけどね。 海の季節は陸の一ヶ月遅れだから、秋の海のダイビングも透明度が夏よりましているから、条件は良い。 子供のいる人は、安全を確認したうえで、子供たちを自然に放ってやれば、もう大喜びの子が多いんじゃないかな。 うちの双子も、この週末、かえるをわしづかみにして、つかまえた~とかやっていた。 大きな蜘蛛は毒があるから、危ないと教えておいたので、蜘蛛を見つけても大騒ぎするだけで、手を出さない。 うちの教会のこにしきさんがきいたら卒倒する話であろう。 キャンプを張ったそばで、夜、コヨーテの遠吠えが聞こえたから、娘は翌日、コヨーテの遠吠えの絵を描いていた。 おもちゃなんて、いらないのである。

そういう自然を通して、天のお父さんはいろいろなことを語りかけていてくれるんだと思う。 地に落ちた枯葉にも実は大きな意義があるのがわかった。 (これも、別途投稿する。)

肉親や愛犬が死んだとき、空を見上げた人は多いであろう。 雲の中に、愛犬のような形をした雲をさがしてみたりして。 それだけ、天、空、大自然というものは、人間が天のお父さん-アーサーホランド的に言えば、「不変的な存在」-を探し求める空間、次元なんではなかろうかね。 

まあ、今日、時間があったら、空でも夜空でも見てみてよ。

今回は、いやにまじめ腐った文体で書いてしもうたわい。

あかしや

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